注音字母。注音符号や俗にボポモフォなどと呼ばれたりもする。中国語の発音を表記するのに使われる記号の一種で、ローマ字で書かれる拼音が主として中国で使われるのに対し、注音字母は主に台湾で使用されている。
主に官話の発音を表記するのに使われるが、台語、客家語、閩東語などの発音表記にも注音字母が使われることもある。
台湾でも現在は外国人向けの中国語教育では拼音が使われることも多いようなのだが、台湾の人々が義務教育で教わるのは主に注音字母であり、町中でもしばしば注音字母を見かける。
私は大学の一年生のころ、一通り注音字母を叩き込まれたはずなのだけれど、多くの中国語学習者同様、その後拼音しか使っていなかったので、かなりうろ覚えになっていた。ただ、台湾にしばらく滞在するのであれば、少なくともすらすら読めたほうが便利だろうと思い、Ankiを使って覚え直すことにした。
勉強方法としては非常にシンプルで、小学館の中日字典に掲載されていた全ての声母と韻母の組み合わせのカードを作り、注音字母を見てきちんと発音ができればOKというもの。声調は考えない。
字書に載っていたのは全部で417音節。ただし、この中にはㄏㄫ (hng) やㄝ (ê) といった、官話ではほとんど出現しない音節も含まれている。
1日10枚ずつ、1ヶ月半ほどかけて頭に叩き込んだ。ㄓㄨㄥ (zhong) のような、拼音と注音字母の対応が少し複雑な音節については、まだぱっとは発音できないことはあるが、だいぶ慣れてきたと思う。