Otoyadiary

語学の話題がうっすら多めの日記

みんぱくで「客家と日本」展を見たけれど


太陽の塔から出て、そのまま国立民族学博物館(通称みんぱく)に向かう。太陽の塔同様、万博記念公園の敷地内にある。ここで開催されている「客家と日本――華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」*1を見ることが、今回の大阪行の最大の目的である。

てっきり特別展料金が必要な特別展示として行われていると思っていたのだが、実際は常設展の内部で企画展示という形で開催されていた。つまり、展示スペースはそんなに広くはない。

「客家と日本」展
客家と日本」展

一応対聯が掛かった門様の構造物も作られており、それなりに力は入っているようだ。ちなみにこの対聯の句はベトナムにある客家公祠に掛けられているものらしい。

家居四海四海為家家道昌 客寓五洲五洲作客客聲顯、四県方言の客家語で読むならば、Kâ-kî si-hói si-hói vi kâ kâ-tho chhông, hak-ngi ńg-chû ńg-chû chok hak hak-sâng hién. となるだろうか。現地の客家の方の話す客家語がどの系統に属するものなのか分からないので、あまり意味はないけれど。


展示は前半で客家の歴史や服飾、料理などを紹介し、後半では日本統治時代の客家と(民族としての)日本人の関係、戦後の日本と客家の関係が紹介されている。

それなりに見どころはあり、興味深い資料も展示されてはいるのだが、いかんせん規模が小さかった。地域外からわざわざ見に行くほどの展覧会か、と聞かれたら、首肯するのにちょっと躊躇せざるを得ない。

官話でルビが振られた客家料理
官話でルビが振られた客家料理

なお、料理の名前など一部の中国語にはカタカナで読み方が付されているのだが、それが官話の読みであるのが少し気になった。客家語でルビを振るとした場合、どの方言に準拠するかで困難があり、折衷的に官話を使った、というなら、まあ、分からなくはない。

一方、会場で配布されていた客家料理のレシピの紙には、料理名が「客家語」と「中国語」(レシピ記載表記ママ)の両方で書かれていたので、主旨は結局よく分からない。また、ここで「中国語」という言語名が「客家語」という言語名と並置して書かれていることにも疑問は残る。


客家と日本」展については、多少の肩透かし感はあったものの、みんぱくは常設展が本当に素晴らしいので、この常設展とあわせて見学するのであれば、間違いなくこのために大阪まで行く価値はあると言える。

酒場で興じるトランプ遊び
酒場で興じるトランプ遊び

メキシコの「死者の日」関連の展示品。ユーモラスでかわいい。


大阪発祥というかすうどんを食べた。具として牛のホルモンを揚げたものが入っている。食感も味も非常に美味しい。

かすうどん
かすうどん

大阪滞在の続きは以下。